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汚れた体を洗ってあげて平たい皿に牛乳を注いだ。
弱っているのに洗うなんて…とも思ったが、汚れたままで部屋を汚されては僕が困る。
というのは嘘で、あんまり体が強くないから細菌やら黴菌に弱いからだ。
最初は力無く皿の牛乳を舐めていたが、途中からは体を起こして飲んでいる。こういうのを愛らしいというのだろうか。
「ニャー」
なんなく飲み干し甘えるように足元に擦り寄ってきた。
もっとさすがに牛乳ばかりあげるわけにはいかないよな。
「よしよし…少し待っててね、缶詰買ってくるから」
もう一度撫でてから財布を持って家を出た。
リビングのドアは閉めたから出れないし大丈夫だろう。
猫も家族だよな、人懐っこそうだし…まあ人間じゃないから僕の一方的な思いだけだけどね。
しかし猫缶ってどうなんだろうか。
猫だから猫缶…いやここはあえて鯖缶にしようか。
うん、そうしよう。今から美味しいものを食べさせてあげれば、きっと僕が食べるような食事も食べるかもしれないしね。
「全く、猫一匹に僕はなにを…」
浮かれているんだ…先を急ぐように走り出した。
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