第一章・・・始まりときっかけ

15/26
前へ
/308ページ
次へ
良魔は聖羅を気にしていたのはたしかだ。そうでも無くてはいくら偉大な父親の頼みであっても監視なんて御免だ。だから嘘ではない。そして良魔は更に聖羅に言った。しかし、これは聖羅を絶対に手元に置いておく為の脅しのようなもの。ペットに付ける首輪。 「聖羅。言いたくは無かったが、俺と契約して貰う。きょ、拒否は認めない。お、俺は君と差し違えてでも契約を承諾して貰う。『神の子は我が手の内に有り』意味は・・・・・分かるね?」 良魔の震えた声を聞いた瞬間、聖羅は驚いた。そして頷く事しか出来ないことが自然に分かった。何故なら、自分を作り出した神様を引き合いにだされたのだから。今自分が抵抗して消えてしまったらクリス達は路頭に迷ってしまう。特にクリスは仕える主人がいなくなれば世界を破滅しかねない。これ以上罪をクリス達に犯さる訳には行かない。修司の願いでもあるのだから。 「成る程・・・・・私を飼うのね・・・・・。神様を取られたら私に抵抗は出来ないのを知って」 聖羅の声に良魔はごめんと小さく言った。聖羅は溜め息を吐いた。 「私は貴方を怨まないわ。でも私と契約?正気じゃ無いわ。私がどんな存在だか忘れたの?私は「止めろ!」・・・・・」 聖羅の声を良魔は遮る。しかし聖羅は平気な顔でサラリと続けた。 「私は“化け物”よ。」
/308ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2528人が本棚に入れています
本棚に追加