第一章・・・始まりときっかけ

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そこにいる聖羅はスーツ姿の聖羅では無かった。ふわりとしたどこまでも黒いドレスに味気の無かった父親の形見、小さくなったが確かに無限のネックレス。 良魔はそれを見て彼女が美しいと改めて思った。聖羅が良魔の方を振り返る。 「契約。承知したわ。日付が変わり草木が眠る時に契約をしましょう。近くの河川敷が良いわ。」 聖羅の言葉に良魔も了解を示した。良魔はでは時間に・・・・・と呟くように聖羅に言って自分は片付けをし始める。聖羅はゆったりと窓を開けて今日一番の夜風に当たって居ると思ったらそのまま飛び降りた。 良魔はその姿が、まるでこれからの事を予知しているようでならなかったが、自分が絶対聖羅を守ると言い聞かせて落ち着くように深呼吸をした。 冷めた湯飲みの茶はたらたらと下水道に流れ着いた。
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