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「ただいま。」
聖羅がそう言うと奥から足音が聞こえてきた。
出たのはシャルだ。
「お帰りなさいませ。聖羅様。」
シャルは丁寧にお辞儀をする。
聖羅はシャルの頭を撫で他の二人の居場所を聞く。
「クリス様は何処やらお出掛けになりました。アテナ様は既にお戻りになられています。」
シャルが報告するのを聞いて聖羅は化粧をするのを手伝うように言った。シャルは首を傾げ、分からないと言う表情を見せたが主人の言う事なので一つ返事を返した。
途中ある部屋でアテナが必死でテストの丸付けに追われているのを見た。聖羅は、それでも楽しそうなアテナをきちんと見る事が出来なかった。そして、思った。修司ならどうするだろうと・・・・・
聖羅は化粧台の前に椅子を持ってきて座るとシャルに化粧をさせる。シャルはなれた手つきで聖羅を飾って行く。
化粧の濃さも案配も丁度よい。
そして、聖羅は数分でシャルと言う芸術家によって、お人形のような作品になった。
とても美しい人形。
それが、今の聖羅の第一印象だろう。
どこまでも透き通った肌が電気の灯りをよく通した。
輝きが増したように聖羅は見えた。
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