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聖羅は、ふと月を見て時間を確かめる。
「そろそろ、か。それにしても良い夜ね。月も綺麗。」
その様子を見て三人も動く。知識のアテナを中心に描くは魔法陣。それも馬鹿にでかい。石灰で綺麗に描く。
月明かりをバックに三人を見る聖羅は何時かのように何だか嬉しくて笑った。そして、手伝った。聖羅達は呪文を唱えるかのように何やら計算式を言いながら陣を埋める。
あれほど大きかった魔法陣も三人と一人でやれば、さほど時間はかからなかった。
やがて、約束の時がきた。
聖羅は陣の真ん中で、三人はその後ろで控える。
刹那一陣の風と共に勇者は降り立った。神々から祝福を受けた武具を身に着けて
「魔王、杉闇聖羅。契約の内容は知ってるな?」
聖羅は頷きいつでも良いと態度で示した。
良魔の発した言葉は、とても重みがあった。ただ、とても悲しそう。悲しみがひしひしと空気を伝って聖羅達にも伝わった。聖羅は優雅にドレスの裾を持ち跪く。
「はい。勇者、武藤良魔様。」
聖羅の透き通った声で良魔に返事が返される。
「聖羅。汝、我と共にどこまでも着いて来ることを誓うな?」
刹那、良魔がそう言った時良魔の足下から光が発せられる。
「はい。お誓い致します。」
聖羅がそう答えるとその光は一筋の光となって良魔から聖羅に巻き付いた。
まるで、聖羅を縛るように・・・・・
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