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良魔は中の様子を目で見る。
そして、目を見開いた。何故なら、其処に居る半数は奴隷だったからだ。
隠れ集落の住人達は皆家にこもりガタガタと震えている。
・・・・・成る程読めて来たぞ
良魔はそう思った。多分此処はこの世界で奴隷や差別される者達が集まる集落なのだ。そして、外で戦っているのは、此処の戦士だろう。
良魔はそう考えを纏めると戦の方を見やった。片方が劣勢のようだ。
そして、とうとう崩れた。バラバラになった軍隊を叩くのはたやすいことだ。敗軍は真っ直ぐにこちらに向かってくる。良魔は聖羅に命を出した。
「聖羅よ私の名において命ずる。敗軍を助けよ。」
聖羅はかしこまる。
「お任せ下さい。」
良魔の命令が下された瞬間。聖羅の行動は早かった。
アテナに正面の敵を崩すよう命じシャルには左をクリスに後ろから攻撃を命じた。
自分は、敵軍の真ん中に現れる。
敗軍を追うのに必死になっていた軍は聖羅の存在に気が付かなかった。聖羅が理に命じた。
「『大気よ。我が敵を絶やせ。』」
その聖羅の一言で兵士は急に苦しみ始める。
そして、一人、また一人と命を落とし倒れていく。
クリス達は兵士を修司の作品『滅びの剣』で葬り去っていた。
特にアテナは流れるような動きで敵を切り捨てていく。
反対にクリスは叩き切るように、シャルは剣を補助として魔法で兵士を始末していた。
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