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「お姉ちゃん?今は楽しまなきゃつまらないよ。」
男の子はそうは言いながらも聖羅の背中をポンポンと優しく叩いた。
孤児院生活を送った事がある聖羅の生活は魔法の力のせいで仲間外れにされるのは当たり前の生活だった。勿論こうやって優しくされるのは初めて。
当時、クリス達が聖羅を見付け引き取ることが出来なかったらもしかしたら聖羅はとっくに命を投げ出していたかもしれない。
だから、聖羅は意地悪ぽく笑い言った。
「私、遊び方知らないわ。そもそも遊びが分からないわ。そんな私を誘うの?」
すると男の子はきょとんとする。
しばらく考える素振りを見せた後、後ろに控えていた仲間に相談した。
何やら話していたがすぐ結論が出たのか聖羅に返答する。
男の子は頬を人差し指でポリポリとかきながら
「実は、僕達も知らないんだ。言葉に出来ないから。だけどねお姉ちゃん。楽しいなら何でも良いんだよ。楽しいと思える事は遊びだと想うんだ。」
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