第二章・・・・異世界

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聖羅は、クリス達をまたチラリと見たがどうやら同じ様に質問され困っているようで助けは望めそうに無かった。 出るのは溜め息。 良魔は、そんな聖羅達の遣り取りを見て俯いた。 聖羅に大口を叩いてこの世界に来てそうそう聖羅の心の闇に気付けなかった。 一番長く近くにいた筈なのに、一番長く見ていた筈なのに。 実際聖羅に会ったのはクリス達とあまり変わらない。何故なら完全に聖羅の居場所が分からなかったから・・・・・。父親の孝一も必死に探したが矢張り見つからず、幸運にも良魔が孤児院でボランティアをしに来た時たまたま会えたのだ。聖羅はその時良魔をあの目で見ていた。父親譲りのあの目で・・・・・ 良魔はその視線が気になり調べた所自分が探していた杉闇聖羅だったのだ。 「何が護るだ。俺のバカめ。」 良魔の呟きは虚しく、誰の耳にも入る事は無かった。 聖羅は、男の子に連れて行かれクリス達の囲みに再度囲まれクリスと聖羅は大きな囲みの中遊ぼーよと迫る子供達にどう対応して良いか分からずただオロオロ。シャルとアテナは子供の扱いに慣れている為他の子達と楽しくボールで遊ぶ。 聖羅もそれを見て真似をしようとボールを蹴るが上手く行かず子供達に教えて貰う始末である。
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