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「聖羅様?お茶です。少しお休みになって下さい。お体にさわられます。」
シャルは優しくお盆に載せた茶碗を机に起き差し出した。
今聖羅は、外の現場監督から中の事務に入っていた。にらめっこしているのは、集落改造の図案。沢山の数式が書かれており其処には材料の案がびっしりと埋まっている。そして、手は自然と茶碗へ
「あぁ。シャル。有難う。」
聖羅は、声を掛けられて今気付いたのかビクリと肩を一回震わせ今は安堵の溜め息を吐いている。
ズズ~
「そうも行かないわ。この集落全く籠城戦なんか出来ないじゃない。出来の悪い城壁みたいな囲いはあるけどあんなの気休め。次攻めてくるのは何時か分からないから出来る時にやっておかないと。」
ズズ~
そんな事を言っても手から茶碗は離れない。
「クスッ。聖羅様?お体は正直のようですよ?それに、一服するだけでも気分が変わりますから、少しお休みになって下さい。」
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