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逸れを見て聖羅は何だかおかしくなり、クスクスと笑うのだった。
平和である。聖羅は頭の隅でそう思った。自分の父親の時代は何と不幸だったのだろう。
もし、あちらの世界が可笑しな行動を取るようなら、取った瞬間、自分が世界を消し去ってくれようと考えていたことは棚に上げ、聖羅は平和を満喫していた。勿論ハメを外し過ぎぬ程度にではあるが・・・。
「聖羅様。」
不意にクリスに呼ばれる。
「なに?クリス?」
クリスは真剣な面持ちで聖羅に訪ねた。
「聖羅様に付きまとう、あの殿方はどうなさるおつもりですか?」
あの殿方と聞いた瞬間、聖羅は一瞬表情が暗くなった気がした。
「・・・・そうねぇ。考えはいるけど彼奴、何かと頭がよくてね。」
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