第3章

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自宅のマンションに着き、エレベーターに乗る。 途中でここの住民である初老の女性と乗り合わせた。 彼女は驚いたような顔をした後、微笑んだ。 「……?」 わたしが首を傾げると 「いやいや、あなたがそんな顔してるのを初めてみたからねぇ。不快な思いをさせたならごめんなさいねぇ」 ……うかつ。 明日が楽しみで自然に頬が緩んでいた。 「……いえ」 照れを隠すために顔を伏せた時、ちょうどエレベーターが着いたから逃げるようにして部屋に向かった。 感情を制御できない…… これは深刻なエラー。 でもこれが"嬉しい"という感情なのだろうか……。
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