第1章

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「長門さんはこれから部活だよね?」 「そう」 「今年も文化祭で映画撮るの?」 「まだ分からない」 「古泉君とみんなによろしくねー」 「伝えておく」 自身の化粧もあっという間に終えたクラスメイト達と一緒に教室を出て、廊下を歩く。 人の少なくなった校舎に、彼女達の声はよく響く。 「それじゃ長門さん、また明日ね」 「バイバーイ」 「ばいちゃー」 階段を降りた曲がり角が別れ道だ。 私は部室に、彼女達は昇降口へ。 「…ばいばい」 彼女達に倣って、私も挨拶をする。 小さく手を振った。 「…な、長門さんがばいばいして手までふってくれた!」 「レアレア!チョーレアじゃね?!」 「かっ……可愛いいい!!」 「写メ撮っとこうよ写メ!ケータイどこー!?」 こんなに騒がれるのは想定外…。 まだ、彼女達への理解が足りないようだ。
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