第1章

9/13
前へ
/29ページ
次へ
こんな話をしている間にもクラスメイトの手はよどみなく動いたままで、私のまぶたや眉に鉛筆で書きこんだり、唇になにかを塗ったりしていた。 そして… 「ん、よし完成!どうどう?鏡見てみて長門さん」 作業が完了したらしい。 広げた折りたたみ式鏡を手渡される。 「長門さん元がいいからあんまいじれなかったよ。ちょっとビューラーでまつげあげてライン入れて、眉整えてチークと口紅つけたくらい」 「グロスもポイントで付けたじゃん。ほら、唇つやつや」 「ほんのりほっぺが紅いのが萌えですなぁー♪」 鏡に映る私は、まつげが上向きになったことと、目じりに黒い線が引かれたことにより瞳が大きく見えるようになっている。 唇もふくらみ、みずみずしい。 頬に赤みが入ることで顔に立体感と柔らかさが生まれている。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

324人が本棚に入れています
本棚に追加