第一章

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「じゃぁナニ?」 銀時は目線を逸らさない。しかし、土方は真っ直ぐな瞳を受け入れることなく、俯いていた。 「男が、できたわけじゃ…できた、わけじゃない…。」 土方は小さく言った。銀時は土方の顔に影が落ちた気がした。 「ただ…。」 「ただ、なんだよ?」 銀時は先を促した。久々に会った元恋人に、何を言われるのか、その検討はついている。 さっさと聞いてしまいたい。 土方は躊躇っているようだった。唇がわなないている。緊張しているのだと思われた。 銀時は土方をただ、じっと見つめていた。土方はちらりと銀時の顔を見ると、意を決したのか、口を開いた。 「ただ……できそう…なんだ…。」 土方は呟くように言った。 銀時は暫く黙った。土方は依然違う方向を向いたままだ。と、銀時が土方から一歩下がり、背を向けて、「へぇー。」とだけ、言葉を放った。 すぐ後ろで、土方がやっと顔を上げた気配がした。 「良かったじゃねェか。」 銀時は静かに言った。ひくり、と土方が肩を跳ねた。
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