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「っ…ぁっ…!ふ…ぁ…っ…!やめっ…!」
銀時は止まらない。貪るような、激しい口づけ。ただ、ただ、焦燥感と共に湧き出す、妙な気持ちを明かしたくて、ひたすら相手への欲だけに没頭した。
「…っぁ!…やっ…やめろっ!!」
土方は腕に力を籠めて、銀時を殴って突き飛ばした。銀時が茂みに倒れ込んだ。
土方はハァ、ハァ、と息を整え、液体でべとべとになった口周りを、服の袖で拭った。
「…俺の話を…最後まで聞けよっ…。」
「話…?っざけるなよ…。」
目の前の男に殴られて朱く腫れた箇所を押さえて立ち上がり、銀時は呟いた。
「今更何を聞けと?」
「それは…。」
「聞くことなんざ、何もねぇよ。」
銀時は土方を睨むように、真っ直ぐ見据えた。
土方の瞳に怯えの色が過ぎった。
数十秒の重い沈黙が続いた。銀時は突然、は、と嘲笑を漏らした。
「っふざけんな……。」
土方がビクリ、と身を震わせた。
「…なんで…別れたと思ってんだ…。」
「ぎんと…」
「なんのために……ちくしょー……。」
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