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銀時は再び土方に近寄り、相手の肩に寄り掛かる様に腕を置いた。土方は固まったように、動かなかった。
「コレを聞いたら皆どう思うんだろうな~…。」
銀時は土方の耳元に、口を添えた。
僅かな息に、ぴくり、と土方が動いた。
「悔しいから、俺がバラしちまおうか?」
黒く妖艶な銀時の言葉が、土方の側で紡がれる。
土方は焦るように、銀時の腕を振り払った。
「…やめろ…っ!んなことして、何になるっ?」
「何になるんだろうなァー、それはやってからの、お楽しみ、てことで。」
「ふ……!」
完璧に頭に血が昇ったらしい、土方は、手をあげた。
「ふざけっ……!」
しかし、銀時に向かったはずの厚い拳は、次の瞬間には、相手の手で難無く受け止められて、あっという間に捩じ伏せられ、土方は芝生に転がり込んだ。
「ったく、冗談だっつの。ムキになんなよ。」
「てめぇっ!今は冗談なん…」
「はいはい。俺が悪かったよ。」
銀時は倒れた土方の頭に手を乗せ、黒髪をくしゃり、と撫でた。その懐かしく、温かい手に、土方は何も言え返せなくなった。
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