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「君の普段暮らしていた中に、そんなに大切なものがあった?」 ずきんと、何か衝撃が走った。 ぐるぐると頭の中を探ってみると、そこまで大切な物があっただろうか。そんな気がしてくる。 学校では目立った方では無い、二年間同じクラスだった子に「はじめまして」とさえ言われたことがある。 親とは喧嘩ばかり。 楽しい思い出など、あたしには少ないのだ。 だからといって、監禁されて良いということは無い。 「そんなに無いでしょ?」 猫さんの目は悲しそうだった。 「と、いうことで今日から俺は君の飼育係だから。 よろしく。」
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