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厚く着込んだコートは脱がされ、セーラー服のままあたしは部屋の中央に転がされていた。 部屋の壁際、あたしの右隣りには大きな赤い革のソファがあり、そこにあたしを誘拐したであろう男がいる。 無造作に座り、膝に頬杖をついた、ボサボサ頭の男。 肌は白く、とても病的な雰囲気が感じられた。 つけっぱなしのテレビを、見るともなく見ている。 あたしが意識を取り戻したことに気付いたのか、男はこちらを尻目に見て、頬杖をついたまま言った。
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