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「じゃ、また明日!」
「ああ」
友達と別れたオレは、空を見上げてため息をついた。
日は完全に暮れ、住宅の明かりだけが行く道を照らしている。
こんなに遅くまで学校に残っていたのは訳がある。
友達の赤点課題が終わらず、一緒に残って手伝っていたからだ。
そしてもう一つ…。
オレが帰りたくなかったから。
仕事で全く家に帰ってこないどころか、連絡もしない父親が、用事があると連絡をしてきたのだ。
間違いなく面倒なことに違いない。
だから友達と学校に残っていたが、さすがに遅くなりすぎてしまった。
しかたなく、オレは早足で家に向かった。
そしてこれもしかたなく、帰り道ではない、公園を横ぎることにした。
急ぎに使う、家への近道だ。
人が全くいない公園は明かりも乏しく、少し不気味だ。
その公園を半分ほど行った所で突然、何かが茂みから飛び出してきた。
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