第一話

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オレは早く休みたい一心で扉を開けた。 「お帰りなさいませ!我等が主!!」 …ありえない声が聞こえたので、そのまま扉を閉めた。 疲れてる、疲れてるから幻聴が聞こえただけだ…! そう思い込みたいのに、声の主―先程の怪しい青年がオレの部屋から出て来た。 「どうしました?我等が主」 「…なんでいるんだ…」 公園から家まで一直線なので、抜かされればわかる。 なのにこの男、どうやってここまで来たんだ。 「俺はあなたの側にいなければなりませんので」 青年は爽やかな笑顔で、答えになっていない答えを言った。 「…母さーん、警察呼んでー」 もうオレの力ではどうしようもないので、大人に頼る事にした。 だってコイツ、不法侵入だし。 どうしたのー、と何も知らない母が呑気に階段を上ってきた。 そしてオレの隣にいる、怪しい男を見て目を剥いた。 まあ、当然の反応だろう。 だが次の母の言葉に、オレは固まってしまった。 「…葛城(カズラキ)君?まぁ、葛城君じゃない!」 母は嬉しそうに怪しい青年に駆け寄った。 「大きくなったわね~!」
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