忍流派、四聖流

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「こっちの方角だ!」 「奴等が出たのか!? 怨霊か?魔物か?」 「魔物だ! 精鋭を集めろ!」 慌ただしく大人達が駆け回る。 その様子を見て、一人の少年が支度をする。 苦路見 翔(クロミ カケル)霊能力等の力が強く、一族を継ぐ者と言われている少年だ。 「翔、出るつもりか?」 「はい、魔物こそ僕の倒すべき敵でしょう? 霊であれば、他の者でも務まりましょうが…」 翔はまだ小学生、それもまだ九歳だ。 「翔様が行くなら私も行きます!」 そう声を上げたのは、翔よりも三つ年下の少女。 名前は、御門 雷(ミカド ライ) 翔の三つ下と言う事は、まだ小学生にも満たない。 「駄目だよ、雷ちゃんはまだ六歳だろ?」 「でも!いつも翔様と修行してます!」 翔が任務に出るとなるといつもこうなのだ。 これには大人達も少々困っているらしい。 「しかしな、雷? 翔はもう九つ、お前とは年も離れて…」 「嫌です! 私も行きます!」 こうして、一歩たりとも下がろうとはしないのだ。 だから… 彼が動く。
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