忍流派、四聖流

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翔は妙な胸騒ぎを覚え、駆け出した。 この気配、まだいるのか!? それより、『あいつ』は無事なのか!? 「父様?母様? 嘘…どうして……!?」 雷は既に冷たくなって倒れている両親の横に座り込んでいた。 "バキバキ" 「小娘が、生きていたのか…」 そう言いながら、魔物が雷に近付いてくる。 「あ…貴方が殺したのね!? 返しなさいよ!」 雷は側にあった薙刀を手に取り、魔物に向けた。 父の形見の薙刀だ。 「そんな物!」 "バキイッ" 一撃で薙刀は粉砕されてしまう。 雷はもう駄目かと覚悟した。 その時! 「そこまでだ! 烈風掌(レップウショウ)!」 声と共に凄まじい風が吹き、魔物を吹き飛ばす。 「無事か?」 現れたのは、翔だった。 「あ…貴方は…?」 分かる、誰かなんてすぐに分かった。 けど、どうして貴方が!? 「下がっていろ、僕が守ってやる!」 そう言って、翔は雷の前に立ち、魔物に武器である木刀を向けた。 「チッ! もう戻りやがったのか!?」
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