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そう言って魔物は逃げ出した。
どうやら、林の魔物とグルだったらしく、翔の不在を狙って一族に奇襲を掛けたらしい。
「翔…様?
どうして貴方が…?」
雷が翔に問う、すると翔クルッと振り向き、雷に微笑んだ。
「前に言わなかったか?
守ってやると…」
あの日の約束、翔に雷が付いて行くと聞かなかったあの日の。
「剣斗!
奴は捕らえたか!?」
「申し訳ありませんカケ様、取り逃がしてしまいました…」
「そうか、だが…
無事で何よりだ、雷」
この事件で、一族のほとんどの者はこの世を去るか、力を失う形となった。
それからしばらくしたある日、剣斗が翔にある事を告げる。
「カケ様、実は気になる事を耳にしまして…」
「言ってみろ」
「はい、実は…」
剣斗が翔に告げた情報、それは、四聖流と言う流派の事だった。
頭首は翔よりも一つ上、つい最近現れた流派だ。
そして、驚く事にその使命が苦路見家と酷似していた。
だが、少人数の流派だった。
それでも、翔は迷わなかった。
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