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翔達三人は、そのまま四聖流の門下に入った。
そこで任務をこなす内に、翔は頭首からの厚い信頼を得た。
それもほんの短期間で。
ある時、翔に頭首からの呼び出しが掛かった。
「頭、お呼びでしょうか?」
「ああ、来たね。
実は、君の耳に入れておきたい事があってね」
「僕の耳に入れておきたい事…ですか?」
翔が尋ねると、頭首は真剣な顔で頷いた。
「雷の両親の仇が見付かったよ。
場所はこの紙に記してある、どうするかは君が決めるんです!」
翔は紙を受け取り、頭首の下を去った。
「翔様…」
「雷、聞いていたのか…
頭も気付いてらした様だが…」
すると雷の後ろから剣斗が現れる。
「勿論、行くのですよね?
カケ様?」
「当然だ。
僕の仲間を傷付けた奴は許さない!!」
三人は支度を済ませ、紙に書かれた場所を目指す。
不安そうな雷に、翔は掛ける言葉が見付からなかった。
だから、雷の肩に手を置き、頷く事で雷を落ち着かせようとする。
「翔様…」
不器用な優しさ。
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