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「陛下ー陛下ー」
男性にしては長めの
結んだ青い髪を
なびかせて私は
魔王城の中を駆け回る
理由は
魔王陛下の逃走だ
仕事させていたのに
ちょっと目を
はなしたすきに
いなくなっていた
まったく
秘書の私の身にも
なってくださいよ
「わはは」
いた
この声は陛下だ
「陛下っ!」
「おう!アルファ!
今な
決め台詞を決めてたんだ!
勇者との闘いの前に
かっこいい一言
言った方がいいだろ」
そこには
燃えるような赤い髪
私と同じ紫色の目
頬に赤い六芒星
山羊のような角
この魔界の王
魔王オメガがいらっしゃった
「それは後にしてください
仕事の時間ですよ」
そう言うと陛下は
目を輝かせた
「勇者か!勇者来たのか!」
「残念ながら事務です」
それを聞くと陛下は
げっという顔をして
逃走しようとする
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