遅くはない⁉

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遅くはない⁉

さぁ、今夜も妄想たっぷりの? 『Bar Paranoia』 お客様が御来店なされたみたいですな🎵 🔔🎵(カランカラン) 今宵の最初の鐘の音色が、私に来客を知らせる。 『いらっしゃいませ🎵』 ドアの前には、杖をついたご老人とスーツ姿の男性が..... 『此方へどうぞ。』 とカウンター席へ誘う。 足下がおぼつかないそのご老人は、付き添いの男性に座らせてもらい、最後に男性が座った。 私はきっと仲の良い“親子”位にしか思っていなかった。 とりあえずオーダーを聞こう。 『お飲み物は何になさいますか?』 まず最初にご老人がオーダーをする。 『わしはジンフィズを貰おうかの。』 次に男性のオーダーを聞こうとしたが、その男性は老人に何か耳打ちをしていた。 私はきっと、凄い恥ずかしがり屋さんなのだと思っていた。 老人は男性に言った。 『好きな物を頼みなさい。』 男性はオーダーしてきた。 『ジンリッキーをお願いします。』 オーダーは揃った。 『かしこまりました。』 どちらも“ジンベース”のスタンダードカクテルである。 ジンフィズは私の一番好きなカクテルでもある。 シェーカーに良く冷えたジンを入れ、絞ったレモン果汁をたす。最後に手作りのガムシロを1ティースプーン。 後は丁寧にシェイクするだけだ。 シェイクし始めるとご老人は、軽く目を閉じた。 まるで、お気に入りの音楽を聞くように..... シェイクが終わり、中身をグラスに注ぎ込み、氷を入れて炭酸で満たす。            ウィルキンソンの炭酸が優しく弾ける。軽く二回程ステアする。 『ジンフィズ』の完成である。 次にジンリッキーだ。 ベースに対し果汁を絞り炭酸で割った物を『リッキースタイル』と言う。 まず最初にライムを半分カットし、優しく絞り、絞ったライムをグラスに入れる。 次にグラスにジンを注ぎ氷を入れ、炭酸で満たし、ライム果汁を最後に入れる。そして軽くステアする。 ジンリッキーの完成だ。 ライムの香りが二人に届いているのか?二人は軽く鼻を動かしていた。 『お待たせいたしました。』 私はお二人にカクテルを差し出した。
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