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その“カクテル”とは『シンデレラ』である。
レシピは(オレンジジュース20ml レモンジュース20ml パイナップルジュース20ml)をシェイクしてカクテルグラスに注ぐ。
いわゆる『ノンアルコールカクテル』である。
そして彼女の前に差し出した。
彼女は戸惑いながらも一口目を口に含んだ。
『これ、アルコール入ってるの!?ジュースみたいなんだけど!!』
やはり、怒らせてしまったみたいだ....
『お客様、申し訳御座いません。本日お客様は大分酔っている様ですし、何よりお客様はまだ未成年でいらっしゃいますよね。』
女性は更に語尾を強めた。
『はぁ!?私が何で未成年って分かるのよ!!』
私は仕方なしに答えるしかなかった。
『あのう、間違っていたら申し訳御座いません。もしかして“歌手”のMIKAさんではないですか?』
女性は諦めたのか、サングラスを外しながら言った。
『あはっ、やっぱりバレてた!?もう、変装とか面倒くさくて.....』
そう言いながら、髪をかきあげた顔は、テレビで見たその物であった。
やはり、まだあどけなく幼さを残している。
彼女は続けて言ってきた。
『今、何時!?』
私は時計を見て彼女に教えた。
『丁度、12時を過ぎたとこですね。』
彼女は少し笑みを浮かべながら言ってきた。
『おめでとう!!私!聞いて!今、丁度二十歳になりました!だから良いでしょ、今度は“お酒”を頂戴。』
どうやら、私の負けの様である。仕方なしに“カクテル”を作る事にした。
彼女に“合う”カクテルを.....
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