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確か、弁当と言っていた悠斗がテーブルいっぱいに広げたのはお寿司とお惣菜だった
合格、引っ越し祝いを兼ねていて、最初からそのつもりで二人分買ったらしい
変なところで行動力を発揮するヤツだからこれが無駄になることは無い自信があったんだと思う
現に、悔しいけどその思惑通りになっていて、ももが選んだと思われるデザートのケーキに舌鼓を打つ
『ところで、なんでももを連れて来たの?普通弟がついてくるもんじゃない?』
『タケは知恵熱出して来れなかったんだよ。ももが暇そうにしてたから連れて来たんだ』
『そっかタケ大丈夫なの?知恵熱ってもっと小さい子が出すもんじゃない?』
『…なんか…あったんだろ』
『…なんかって何かしたんでしょ?』
あたしの妹を異常に可愛がる代わりに、実の弟はかなり惨い目にあっている。今回も悠斗が何かしたに違いない。きっとくだらないことだと思うけど…
そして何故かフットワークの軽い悠斗は食べきれなかった品々を容器に詰めて冷蔵庫に入れてくれた
片付けまで全部してくれて、あれでも几帳面な性格だからほっといたけど
なんか…こうしっくりこないのは、久しぶりに一緒にいるからだけじゃ無い気がする
『…悠斗言ってみな、怒らないから』
やっぱり…何かまだある気がする
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