その後の二人

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うなだれるあたしの頭を悠斗は撫でる ヨシヨシって感じで撫でる 『…よくうちのお父さんも許したよね…』 高校卒業して直ぐ男と同棲なんていくら悠斗をお父さんが気に入ったとしても、そう簡単に許す筈がない 『安心しろ、ちゃんと責任はとる。ほれ』 『ん?』 顔を上げると婚姻届に戸籍謄本 あたしの名前もしっかり書いてある。もちろんあたしの筆跡じゃない 『…ナニこれ』 『お嬢さんを下さいって言った時書いて貰った。ちなみにさくらのとこはおばさんが書いたんだからな。 追い返されそうになったら役所に出せって』 『いやいやそれって偽造じゃん。そもそも同棲で責任て何?』 『筆跡までは確認しないで受け付けてくれるって。 まあ、保険だな色んな意味で』 『…変な知恵与えてんじゃないわよ…ホントに。色んな意味は言わなくていいから。知りたくないし』 『そうか?でもよ…うちの頑固オヤジがめちゃくちゃ怒ってよ。俺すっげー殴られた』 良かった…まだまともな人が一人でもいて おばさんもうちのお母さんもきっとノリノリで、うちのお父さんは上手く二人に丸め込まれたんだろうな
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