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『…兄ちゃん、怒ってねぇの?』
添えられたカードを見た筈なのに何も言わない兄が気になった
『あ?なんでだよ』
『だって…それももからだぞ?』
一つ摘んだチョコチップクッキー
『いーんだよ、別に…』
素っ気なく答えた悠斗は隣りに住む幼なじみの妹に感謝していた
“お姉ちゃんと作ったから食べてね”
毎年、姉妹で作っていることは知っていた
友達の影響か、憧れか、片思いの相手に渡す気も無いのに手作りをしたいとさくらに頼んでいたのだ
毎年、同じモノを包装紙を変えて貰うのは恒例だった
隣りでは弟が包装紙をビリビリ破いていた
『なんだよ~俺には失敗作かよ』
ゴツゴツとしたクッキーを文句言いながら口に入れる弟を横目に手元に目をやる
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