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幸い同じクラスじゃ無かったから、学校で一度も顔を見ない日もあってぽっかりと開いた穴を勉強に打ち込むことで塞いだ
もともと英語が好きだったから文系を選択すると、典型的な理系頭の悠斗とは校舎も別々になった
時々噂で聞く程度の悠斗とあたしが実は友達だったことすら知らない子は悠斗を好きだと話しても何も感じなかった
ただ、煩わしさは少しあってあたしは人と距離を置くようになった
学校で一人になる時間が多くなっても、これがホントの自分だったんだと思った
つかの間の夢物語だったんだ。陽の当たる場所は確かに居心地が良かったけど、自分のあるべき姿に戻っただけ
静かに高校生活は終わりを告げて、あたしは遠くの大学へ通う為家を出る
開けることの無くなった窓の向こうに別れを告げて、泣きじゃくる妹さえも振り切って逃げた
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