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いつのまにか閉じていた瞳をあけた。
しかし、目の前は暗闇で目を開けているのかを疑うくらいだった。
「ここは…どこ?」
地につかず浮遊している体には何も身につけていない。
別に恥じらいはなかった。
「あれ、…なんだっけ?」
自分の名前が出てこない。
自分の体を触る。
体つきは女である証拠の膨らんだ胸。突き出た大きなお尻。
彼女は自分の性別も分かっていなかった。
頭を触る。
さらっとした細長い髪が指をすり抜ける。
「長い、髪、女…わ、私は…女の子で…それでーーうっ」
何かを思い出そうとすると急激に頭痛に襲われれた。
「わたしはダレ?」
自分が誰なのか分からない恐怖と不安が体中を駆け巡る。
『ーーぃー』
『ーーいー!』
『けいっ!』
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