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ガバッと顔を起こす。
『あ、やーっと起きた!』
「ふえ?」
木の湿った臭いが鼻に突き刺さった。
自分は木の机に今しかた、よだれを垂らして寝ていたことを思い出させる。
「ここ、学校…?」
『はぁ?なに言ってんの。今4時間目終わって昼休みだよ』
周りを見回すとお弁当を食べている生徒が沢山いてがやがやと騒がしかった。
「なんか、変な夢見た…」
『夢見るくらい爆睡だったの…あきれた』
どんな夢を見たのか思い出そうとする。
しかし、頭にずきっとした痛みが走る。
「ーーっ」
こめかみに皺を寄せると友達が心配そうに顔を覗き込んだ。
『ちょっと大丈夫?』
「うん…ねぇ、私の名前って恵っていうよね?」
「はぁ、けいさんですね」
友達は何を今更っと言って恵の腕をひっぱる。
「ほら、いつもの場所で食べるよ!」
『あぁ、ちょっと待ってアキ!』
変な夢をみたせいかまだ現実を理解していない。
私はどちらかと言うと、真面目ちゃんで、授業とかはしっかり受けるタイプなはず、だった。
それが授業を受けた覚えがない今、学校に来て四時間も寝ていたことになる。
こんな経験は高校に入ってから初めてだった。
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