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ワンコールめで早百合さんが出た。
『もしもし?』
威圧するような
怒気を含んだ声に立ちすくんだ。
「…はい」
やっとしぼり出した声
『アンタどういうつもり!?最っ低だね!!!』
分かっていたけど罵倒されることになれていない私は放心状態だった。
「…すいません」
でも不思議と涙は出なかった。
『どういうつもりかって聞いてんだよ!!!!』
荒れた声が聞こえる。
向こうで先輩が止めに入ってる声を聞いたとき
心底ホッとした。
『子供もいるのに…!!』
そう言って電話は切れた。
しばらく外に立っていると電話がかかってきた。
ビクリと体が跳ねる。
________
着信:勇気先輩
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
震える手を押さえながら
通話ボタンを押した。
「…もしもし…?」
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