第一章

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「この前出した進路調査表の話しだがな、お前就職希望で出してたよな?」 「えぇ。そうですけど、何かダメでしたか?」 「いや、ダメってわけじゃないんだが、お前の成績なら大学だって行けると思ってな。どうだ?」 「興味がないです。オレは就職希望でお願いします」 「そうか。少し考えてくれないか?」 「・・・分かりました」 こう言っておかないと帰してもらえないようなきがした。 先生との話しを終え今日にもどると、またしても春原が 「滝島ぁ。どこ行ってたんだよ。遅かったじゃないか!どこ行くか決まったぞ」 「ゴメン。先生に呼び出されてた。で、どこ行くと?」 「えっ?先生と話してたのかよ。あっ、その事なんだがな、金子ん家の別荘行く事になったんだ」 「そうか。わかった。いつ?」 「都合ついたら連絡くれるそうだ!」 「うん。わかった」 それからの話はオレの頭には入ってこなかった。 先生の話が気になっていたからだ。 高校三年の夏といえばもう進路はほぼ決まっている。 なのに、今さら変える気はない。 ないんだが・・・
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