女郎蜘蛛

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
羽ばたく満月の下 妖しく君が笑った ぼんやり伸びた影が だらしなく溶けて染み込んだ 強く引き寄せてみたけど すり抜けてしまったんだ 僕の心臓をえぐり出してしまえばいい ポケットの中のそれで 深く深く君の心に絡めばいい 君の血肉として 落ちてきた空の下 強く手を伸ばしてみた 輝き過ぎた月が 少し馬鹿にして笑った 膝を抱えての目隠しは 僕はもう沢山だ 君の望みを僕に吐き出してほしい 醜い心も全て 君の優しさが嘘だったとしてもいい 僕の中の君は変わらない
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!