梶原芽衣子、17歳。

4/9
前へ
/92ページ
次へ
二年前にお母ちゃんが死んでしまってから、家族力を合わせて生きてきた。 といっても、まだ小さい子供もいる、梶原家。 お父ちゃんと兄ちゃんが食いぶちを稼いでくれる分、家事なんかは、あたしの担当になった。 一年前に離婚したお姉ちゃんが戻ってきてからは、だいぶ楽にはなったけど。 やっぱり手が掛かる年頃の空くんがいるから、家事炊事は必然的に私の仕事になっていた。 「ねーちゃん、給食袋どこ?」 「くましゃん!!」 「あ、こら!俺のおかず!!」 「うっさい、あんたたち!だまって食卓につきなさい!」 ぎゃあぎゃあ騒ぐチビどもをどやしつけると、無理矢理にちゃぶ台の前に座らせる。 ……梶原芽衣子。17歳。 花の女子高生。 花の、女子高生。 ええ、大事なことなので、二度言いました。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加