梶原芽衣子、17歳。

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嵐が去った後のような静けさの中。 あたしとお父ちゃんは、居間で向かい合う形で正座した。 「何?話って」 あたしがひとり呼ばれるなんて、珍しい。 なんか大事な話なのかな。 少しだけ緊張した空気の中、お父ちゃんが口を開いた。 「お前、奉公に出る気はねぇか?」 「ほ……奉公?」 奉公、って。 どゆこと…? ※ほうこう【奉公】 その家に住み込んで,召し使われて勤めること。 「まぁ、つまりは家政婦として働きに出ねぇかってことだ」 ぽかんとしていたあたしに、お父ちゃんが要約して言った。
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