梶原芽衣子、17歳。

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「家政婦?何でまたそんな話……家計厳しいの?」 たしかに、うちは裕福とはいえないけれど。 お父ちゃんは腕の良い職人だし、この不景気でも受注は絶えない。 お父ちゃんが作る家具じゃないと嫌だというお得意様だっている。 それに兄ちゃんも頑張って稼いでるし。 「まぁ、楽な暮らしとは言えねぇがな。そればかりじゃねぇんだ」 「どういうこと?」 「金の問題っちゅーより、義理立てってやつだな。得意先で、神宮寺さんとこあるだろ?」 「ああ、あのでっかいお屋敷ね」 ホント昔に、お父ちゃんの納品の手伝いで、一度行ったことがある。
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