梶原芽衣子、17歳。

9/9
前へ
/92ページ
次へ
「そういうわけだから、お願いできねぇか?芽衣子」 お父ちゃんが手を合わせながら言う。 「うーんそうねぇ…」 あたしは腕を組んで考えた。 いずれ、バイトには出ようとは思ってたけどさ。 まさか家政婦とは。 こんな小娘に、務まるものなのかしら。 「先方は、お前が来てくれるなら、給金はもちろん、お前の学費から生活費まで、面倒見てくれるっていってんだ」 「え?まじで?」 なにそれ、すごい太っ腹。 お給料もらえちゃううえに、あたしの学費や食い扶持まで面倒見てくれんの? めっちゃお得なバイトじゃない? これから亮二も高校生だし。 規介も実も…育ち盛りで食費もバカにならない。 あたしの学費が浮くだけでも、かなり助かる。 その上、バイト代が手に入る!! 家計のために我慢してた、アレとかコレとか、買えるかも…!! 「あたし…やるわ!そのバイト!!」 あたしは拳を握りしめて、宣言したのだった。 .
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加