28人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういうわけだから、お願いできねぇか?芽衣子」
お父ちゃんが手を合わせながら言う。
「うーんそうねぇ…」
あたしは腕を組んで考えた。
いずれ、バイトには出ようとは思ってたけどさ。
まさか家政婦とは。
こんな小娘に、務まるものなのかしら。
「先方は、お前が来てくれるなら、給金はもちろん、お前の学費から生活費まで、面倒見てくれるっていってんだ」
「え?まじで?」
なにそれ、すごい太っ腹。
お給料もらえちゃううえに、あたしの学費や食い扶持まで面倒見てくれんの?
めっちゃお得なバイトじゃない?
これから亮二も高校生だし。
規介も実も…育ち盛りで食費もバカにならない。
あたしの学費が浮くだけでも、かなり助かる。
その上、バイト代が手に入る!!
家計のために我慢してた、アレとかコレとか、買えるかも…!!
「あたし…やるわ!そのバイト!!」
あたしは拳を握りしめて、宣言したのだった。
.
最初のコメントを投稿しよう!