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「もしかして好きな人が居るの?」
「それは……」
ボクの問いにフレイは口ごもる。
するとフレイは顔を伏せたまま、目線だけボクの方に向けたかと思うと、すぐさま逸らした。
「……いませんけど」
「なら良いじゃない?おめでと」
内心、吹き出しそうなのを堪えながら、ボクは平静を装う。
本当に分かりやすいなぁ。
「明日のこともあるし、今日はもう戻った方がいいんじゃない?」
「そう、ですね。じゃあ……」
「うん、じゃあね」
今にも泣き出しそうなフレイを、ボクは笑顔で送り出した。
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