― 02 ―

4/7
前へ
/27ページ
次へ
「もしかして好きな人が居るの?」 「それは……」 ボクの問いにフレイは口ごもる。 するとフレイは顔を伏せたまま、目線だけボクの方に向けたかと思うと、すぐさま逸らした。 「……いませんけど」 「なら良いじゃない?おめでと」 内心、吹き出しそうなのを堪えながら、ボクは平静を装う。 本当に分かりやすいなぁ。 「明日のこともあるし、今日はもう戻った方がいいんじゃない?」 「そう、ですね。じゃあ……」 「うん、じゃあね」 今にも泣き出しそうなフレイを、ボクは笑顔で送り出した。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加