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足音が聞こえる。誰かがこちらに向かっているのだ。
地下室だから外の様子は分からないけど、時計の針は深夜0時を回ろうとしている。
ボクはベッドから起き上がると、真夜中の訪問者に微笑みかけた。
「今晩和。どうかしたの?」
こんな夜更けだろうとボクを訪ねてくるのは彼女しかいない。
そう、訪問者とはフレイの事だ。
「私、自分に嘘はつけません」
「何か、あったの?」
フレイの顔を見れば、いや見なくても理由は分かる。けれど、ボクは白々しく彼女に訊ねる。
「バーンとは結婚しません!だって私、ずっとリーズさんの事……」
嗚呼、こうも予想通りに事が運ぶなんて。ボクは信じ難い気持ちで続く言葉を待った。
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