― 02 ―

5/7
前へ
/27ページ
次へ
足音が聞こえる。誰かがこちらに向かっているのだ。 地下室だから外の様子は分からないけど、時計の針は深夜0時を回ろうとしている。 ボクはベッドから起き上がると、真夜中の訪問者に微笑みかけた。 「今晩和。どうかしたの?」 こんな夜更けだろうとボクを訪ねてくるのは彼女しかいない。 そう、訪問者とはフレイの事だ。 「私、自分に嘘はつけません」 「何か、あったの?」 フレイの顔を見れば、いや見なくても理由は分かる。けれど、ボクは白々しく彼女に訊ねる。 「バーンとは結婚しません!だって私、ずっとリーズさんの事……」 嗚呼、こうも予想通りに事が運ぶなんて。ボクは信じ難い気持ちで続く言葉を待った。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加