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フレイを部屋へ帰して、ボクは1人で思いに浸っていた。 ボクはこの日の為に耐えてきた。 きっと彼女は驚く。 自分が書いたシナリオながら、ドラマチックで良い出来なのだ。 フレイは喜ぶだろうか。 それとも怒るかな…… その時の彼女の表情が頭に浮かんできて、思わず笑みが零れた。 こんな自分に好意を持ってくれた彼女に感謝しなければならない。 もっとも、フレイが好意を持っているのは、彼女の理想を演じているボクなのだから。 本質を知れば幻滅する。 本来のボクは自己中心的で他人を省みない生き物なのだから。 そして、待ち望んだ時が訪れる。
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