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「式の支度は済んだか、フレイ」
「ジィさん、私は結婚しない!!」
祖父のファイが控え室を訪ねると、フレイは花嫁衣装も着ておらず、代わりにそう言い放った。
最も、フレイの言葉を聞かずとも、ファイは感じ取っていた。
孫娘の様子がおかしいことに。
「孫をそそのかしたのはお前か」
「お久しぶりです炎の王。あ、王位は譲ったから元でしたね」
ファイは愕然とした。
孫の後ろにいるのは氷の王だ。
成長し背格好は変わっていたものの、彼はあの頃と変わらない絶対零度の笑みを浮かべていた。
「いつあの牢を抜け出した?」
「今日です。貴方にお願いがあって、彼女に出してもらいました」
ファイの質問に、リーズは背後からフレイを抱き、笑顔で答える。
「彼女の命と引き換えに、私を自由にして頂けないでしょうか」
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