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この馬鹿デカイ城の中を、私は今日も全力で走っていた。 「お待ちください、フレイ様!!」 「剣の稽古なんざクソ喰らえだっつーの。バーカ!」 炎の一族たるもの、剣の稽古くらいは当たり前だとか言うけど。 宿敵の氷の一族はジジィが倒したから、正直そんな必要無いじゃんつーの。 後ろで息を切らしながら追ってくる世話係をまいて、秘密の地下通路を通る。 辿り着いたのは、炎の鎖で出来た牢屋がある部屋。 その牢の中で優雅に本を読んでいた男に、私は声をかけた。
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