26人が本棚に入れています
本棚に追加
この馬鹿デカイ城の中を、私は今日も全力で走っていた。
「お待ちください、フレイ様!!」
「剣の稽古なんざクソ喰らえだっつーの。バーカ!」
炎の一族たるもの、剣の稽古くらいは当たり前だとか言うけど。
宿敵の氷の一族はジジィが倒したから、正直そんな必要無いじゃんつーの。
後ろで息を切らしながら追ってくる世話係をまいて、秘密の地下通路を通る。
辿り着いたのは、炎の鎖で出来た牢屋がある部屋。
その牢の中で優雅に本を読んでいた男に、私は声をかけた。
最初のコメントを投稿しよう!