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「全部、嘘だったんですか?好きって言うのも?」
「そうなるかな。ごめんね」
フレイの頬を大粒の涙が伝う。その涙は顎を滴る事なく、乾いていく。
異常な熱気がフレイの周りに発生し、水分を蒸発させていた。その陽炎で周囲の景色が歪む。
「フレイ、落ち着きなさい!」
「いやあああああ!!!!」
祖父の声は孫には届かなかった。
フレイの体から紅蓮の焔が迸る。
ショックのあまり、フレイは自身の焔が、制御出来ていない。
その焔は自分自身と、側にいるリーズを焼き尽くさんばかりに勢いを増していく。
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