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炎で、リーズの手にしていた氷の刃は溶けていた。
(助けるなら今しかない!)
ファイは、フレイへと走り出す。
すると、場に似つかわしくない柔らかい表情を浮かべ、リーズがそれを制した。
ファイは思わず足を止める。
リーズは、フレイの正面に向き直り、空いた手で彼女を包み込む。
「ありがとう、フレイ。最期の我が儘を叶えてくれて」
まるで子供をあやすかのように、リーズは優しく語りかける。
「最愛の人に殺されたいなんて願い、叶えてくれて」
その言葉でフレイはハッとする。
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