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小さい頃、剣の稽古だの作法だのが嫌で嫌で、私はいつも城を逃げ回っていた。 ある日、世話係から逃げてる最中、迷い込んだ部屋で私は出会う。 氷の彫刻のような美しい青年に。 『ねぇ、あなたはだれ?』 『ボクの名前はリーズ。君は?』 『フレイ。リーズさんはなんで  こんなところにいるの?』 『ボクは悪い事したから此処に  ずっと閉じ込められてるんだ』 『ここに?ずっと?ひとりで?  ……さみしく、ないの?』 『そうだね。見張りも居ないし  話す相手がいなくて退屈かな』 『じゃ、フレイがリーズさんの  はなしあいてになるよ!』 『ありがとう』 この時は全然知らなかった。 この男が何者なのか。 何故、こんな炎の牢獄に閉じ込められているのか。
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