― 01 ―

5/9
前へ
/27ページ
次へ
「随分と上達したね」 「リーズさんの教え方がいいからですよ」 剣を置いて微笑むリーズさんに、私もそう言って微笑み返す。 本当にリーズさんは凄い。剣の扱いも上手いし、博識だし。 「だけどフレイ、ボクは炎の扱い方までは教えられないんだから。わかってる?」 「そうですけど……やっぱり氷の扱いの要領とは違うんですか?」 「違うに決まってるだろ?炎と氷は正反対なんだから」 私は炎の一族で炎の使い手。 彼は氷の一族で氷の使い手。 氷の一族は、炎の一族の宿敵であり、滅亡したと言われている。 そう。リーズさんは氷の一族の最後の生き残り。しかも、唯の生き残りではなく一族を統べる王…… 氷の魔王なのだ。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加