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私が生まれる少し前、世界には二つの勢力が居て、争っていた。 氷の魔王リーズ率いる氷の一族と、炎の勇者こと私の祖父ファイ率いる炎の一族。 ジジィなんて30代半ばっつー全盛期で、リーズさんなんて10歳の少年だったらしい。 リーズさんの親父さんが急に病死してしまった為に、そんな歳で王になったそうだ。 『若い王と聞いてはいたが……  ワタシの息子より幼いとはな』 『王座を継ぐつもりは無かった。  ボク、争い好きじゃないんで』 『ワタシとて同じ。しかし今更  引き返せんのだ、わかるな?』 『勿論。ですから氷の王として  貴方の前に現れたんですよ』 ジジィ曰くリーズさんは、ぞっとするくらい冷たい笑みを湛えた少年だったらしい。
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